前編では、飲食業態の中でも開業希望者が後を絶たないカフェ業態の特徴や経営の難しさなどについてお伝えしました。後編では、経営が難しいとされるカフェ業態で成功するためのポイントについて解説していきますので是非最後までお読みください。
この記事は以下のような人におすすめ!
- 飲食店開業に向けて準備・検討している方
- カフェ業態での開業を検討している方
- カフェ経営を夢見ている方
カフェで成功するためには?
カフェ経営には多くの困難が伴いますが、成功しているカフェも存在します。カフェ経営に乗り出すのであれば競争の激しさや経営の難しさを理解し、独自のコンセプトで質の高いサービスを提供することで成功を目指しましょう。カフェで成功するために欠かせないポイントは以下の通りです。
コンセプトを明確にする
カフェ業態には無数の競合が存在します。ターゲット層に来店してもらうためには独自の特色を打ち出し、競合との差別化を図ることが不可欠です。そのため、どのようなコンセプトのカフェにするのかを明確にする必要があります。コンセプトが曖昧であれば、お店の魅力が顧客へ伝わらず、集客に繋がりません。コンセプトはメニュー開発や内装、物件選びにも大きく影響するため、準備段階で十分に検討し、練り上げておく必要があります。
長く続いているカフェや喫茶店には共通してブレないコンセプトがあります。顧客に「このカフェに行けば○○が楽しめる」「○○を食べるならこのカフェ」と認知してもらえるかがポイントです。
物件選びで妥協しない
カフェ業態は収益性(利益を獲得する能力)が高いビジネスではありません。通行量が多く集客しやすい立地であること、一定の店舗面積があり少しでも多くの席数(理想は1坪2席)が取れること、郊外立地の場合は駐車場(理想は総席数の半分、最低でも総テーブル数以上)を構えることなど物件選びには細心の注意が必要なため、妥協は禁物です。
客単価のアップ
他の業態と比べて顧客の滞在時間が長く、回転率の悪いカフェ業態では客単価を上げるための取り組みが必須です。個人経営のカフェにおける客単価は一般的に500~1,000円が目安と言われていますが、収益性を高めるためには少しでも上を目指したいところです。客単価を上げるために以下のような取り組みがおすすめです。
・メニューの充実
コーヒーの焙煎技術、豆の種類・質などに徹底的にこだわり、時間をかけてじっくり味わってもらうというスタイルのカフェもありますが、経営の観点ではコーヒーの繊細な味の違いを求めている顧客がどれだけ存在するのか?を意識したメニュー組みが求められます。
カフェ業態において売上に占めるフード・ドリンクの比率は、一般的にフード30%~40%、ドリンク60%~70%と言われています。客単価を上げるためにはメニューを充実させ、フードの比率を高めることも考え方の一つです。
・ついで買いの充実
店内飲食メニュー以外の「ついで買い」として、手作りのパン、ケーキ、サンドイッチなどをテイクアウトで販売するのも考え方の一つです。席でオーダーをとるのではなく、お会計の際に冷蔵ショーケースなどから気軽に手土産を選べるような形をとれれば客単価のアップが期待できるでしょう。なお、持ち帰り用の菓子類を提供するためには菓子製造許可の取得が別途必要です。
・時間帯別のメニュー組み
ランチで混み合う時間帯において提供に時間のかかるパフェやパンケーキなどのオーダーを受けることは避けた方が無難です。提供に時間がかかると顧客の不満につながり、回転率も悪くなるため、時間帯別に提供するメニューを変えるのも考え方の一つです。オーダーが入ったら速やかに提供できるようなメニュー組みをすることが客単価のアップにもつながります。
・セットメニューの提供
単価の低いドリンク一杯だけで終わらせない魅力あるメニュー組みがカフェには求められます。ドリンク+スイーツや軽食のセットを提供する、ドリンクのサイズアップやトッピング追加によるアップセルを提案することも客単価のアップには欠かせません。
SNSを駆使した集客
InstagramやTikTokをはじめとするSNSは顧客とのつながりを強化し、集客力を高めることのできる強力なツールです。SNSでお店のブランディング、集客に成功しているカフェも多く、無料で運用できることから絶対に取り組むべきです。
日々、魅力的な写真や動画を投稿することによってフォロワーの期待感を高め、新規顧客だけではなく、リピーターを増やすことにも期待できます。ただし、ブランドイメージを高めるためには相応のクオリティが求められるため、写真と動画撮影、ライティング(文章作成)などのスキルを高め、他にはない個性を打ち出すことが必要です。
まとめ
今回は前編・後編にわたってカフェ経営の難しさと成功のポイントについてお伝えしました。
個人的に小規模のカフェはビジネスとして成立しづらいと考えていた時期もありましたが、とあるカフェ経営者に出会い、カフェ業態に対する見方が変わりました。その方はいつ休んでいるの?と思えるほど、とにかくよく働きます。そして驚くほどタフです。早朝から仕込みに入り、ランチ時は常に満席、午後は高単価のパフェなどを提供、店内飲食とは別にテイクアウト用のケーキやサンドイッチなども販売、魅力的なSNSを毎日投稿、定休日には営業中にできない事務作業や次の日の下準備と目まぐるしい毎日を過ごされています。話を聞くとこれだけの色々なことをやっても他の飲食業態に比べると決して利益率は高くないようですが、これもカフェ業態における勝ちパターンの一つだと思います。
決して簡単ではないカフェ経営ですが、数ある競合の中から自分のお店が選ばれる理由を見出すことができれば成功の糸口が見つかるかもしれません。そのためには強い決意と弛まぬ努力が不可欠です。カフェ経営を目指される方はその覚悟を持って挑戦してください。
最後までお読みいただきありがとうございました。